【東京テープ座談会】SDGsやエコ…ラッピング業界の今とこれからを考える

2022.03.24

1955年から、日本の「包む」を支えてきた東京テープ。時代の移り変わりに伴い、文化やニーズにも変化があります。前回の座談会では、創業した昭和時代から平成時代までのニーズの変遷を社長、専務が振り返りました。後編となる今回は、課長を加えた3人で最近のラッピング業界の状況や未来への想いについて語ります。

ラッピング業界にも「環境配慮」へのニーズの高まりが

―前回は平成時代までのラッピング業界の流行やニーズについてお話を聞いてきました。今回は、ここ最近感じるニーズからお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。

課長:私は東京テープに入社して7年。和洋スイーツパッケージメーカー様を主に担当しています。お客様とのやり取りで感じられるのは、加工ニーズの高まりですね。当初はお客様より指定された寸法にカットしたリボンを納品していたのですが、だんだんと簡単に取り付けられる加工済みラッピング用品(リボン+ゴム等)にしてほしいという依頼が増えてきました。

専務:私が感じているのは、ロゴ印刷ニーズの変化ですね。以前はリボンに店舗名やブランド名のプリントのご依頼が多かったのですが、最近はあえて無地のリボンやゴムをギフトBOX等に使用するお客様が増えてきたように感じます。多様性を表す方法のひとつかもしれませんね。

社長:太いリボンに名入れ印刷をドンとしていたころと比べると、今は使われるリボンやゴムの太さにも変化が出ているかもしれない。昔と比べると、今は細めのものが人気なように感じます。

専務:ええ。あと、時代の変化を受けてか、環境配慮への意識が高まっているようにも感じますね。

社長:うん。再生ペット素材、紙製品、麻や綿など天然素材を使ったラッピング商材について問い合わせを受けることは、確かに増えていると感じます。

専務:最近そうしたお問い合わせが多いのは、化粧品・アクセサリー関連のお客様のように感じます。

社長:そうですね。やはりリサイクルやエコ、SDGsといったものに取り組まれている企業、メーカーさんが増えてきている表れなのでしょう。環境への配慮は社会的にも大きな関心事ですから、会社として今後も力を入れ、お客様のご要望に応えていきたいですね。

ニーズに応えつつ、流行には安易に乗らない

―前回からいろいろとお話を聞いてきた中で、ラッピングにも時代を反映した流行が見られるのだなと感じました。

社長:そうですね。創業当時から売上が時代に左右されない商品は綿糸(たこ糸)や粘着テープ(セロテープ)くらいなもので、大半の商品が入れ替わっています。会社としてニーズに応えることは大切にしてまいりましたが、東京テープでは安易に流行りに乗らないよう注意してきました。会長に「流行りは追うな」と言われていたんですよ。「一気に上がったものは、一気に落ちる。でも、なだらかだと落ちるときもなだらか」です。急激な変化に対応するのは困難ですが、緩やかであればいくらか対処もできますから。

社長:流行に乗れることよりも、ファンがいることの方が強いと思っています。会社のファンもそうですが、個人のファンですね。例えば、専務は長く付き合いのあるお客様から名指しで依頼がきますよね。そうなると、本当に強い。何かあるとご相談いただける関係性は、流行に左右されないとても大切なものだと思います。

専務:確かにそれは一理ありますね。ご贔屓にしてくださるお客様が他の方に「東京テープがいいよ」と勧めてくださったことで、あらたな取引先とのご縁が生まれたケースもありますから。

ラッピングは、シンプルな無地の箱を着飾ることに近いですね。手頃な価格の贈りものであっても、それがきれいに包まれていたら、もらう方は気持ちが華やぐ。「喜んでもらいたい」「いいものをあげたい」と思う贈り手の想いに応えられるよう、ラッピングの価値を上げていきたいですよね。

社長:課長たち若い世代の社員にも、自分のファンになってくれるお客様との出会いがあればと願っています。

これからの未来に向けて

―東京テープの強みの一つが、新商品の開発力です。これまでは社長、専務が多く手掛けてきた開発ですが、ここは会社のこれからを担う課長にお話を聞いてみたいと思います。いかがですか?

課長:まだ自分の手で商品開発をしたことがないのですが、ずっと挑戦したいなとは思っています。ただ、考えれば考えるほど、あらためて単色のリボン・ゴムの良さ・強みを突き付けられて、「これに勝るものはあるのだろうか」と思わされますね。また、先ほど社長が話したように、今は細いものが求められがちなので、アレンジも難しいなと。市場のニーズにアンテナを張りながら、ヒントを見つけていきたいなと思っています。

社長:あとからニーズが付いてくることもあるからね。作ることも大切だけど、売り出すタイミングを考えることも大切です。

課長:社長や専務は知識の引き出しが多いですよね。

社長:お客様との会話からヒントを得ることもあります。また、相談・問い合わせを受けたときはチャンスです。そのまま要望を再現するのもいいけれど、そこにプラスアルファでアイディアを足すことで、うちならではの新商品を作っていくこともあります。

専務:お客様のニーズを拾うことは、売っていく確率を高めるために大切なことですね。

社長:自分が生み出した商品は我が子と同じように愛着が湧くもので、自然と売りたくなるものです。「どうすれば売れるか」「売れるタイミングはいつか」と熱も入る。とはいえ、私たちの時代とは違って、今はもう商品が成熟してきている部分があるのも事実だと思います。新しい商品を開発してほしい気持ちはもちろんありますが、それと同時に今ある商品を、まだ知らない人に広げていくことも大切にしてもらいたいですね。

専務:若い世代だからこそ長けているものもありますからね。

社長:インターネットなどですね。あとは、機械に頼れるところは機械をうまく活用するのも大切ですね。課長を含め、若い社員たちにはぜひ自分の強みから伸ばしていってほしいと思います。その結果、開発力も磨かれていくんじゃないかな。

課長:がんばりたいです。昔からのお客様ほど、今ある便利な加工品を知らないままというケースもあります。知ってもらうことで、これから世に出ていく新商品や加工方法にも目を向けてもらえたらなと思います。

―市場に流行はありながらも、それに安易に左右されるのではなく、あくまでも実直にものづくりを続ける。その中でニーズを拾い上げて作ってきた商品が愛されるものになっていくのだなと感じました。課長たち若い世代の、これからの挑戦も楽しみです。

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