東京テープの社長が交代します
2025.07.25
丸山社長から皆様へ
このたび東京テープでは、2025年7月をもちまして社長を交代する運びとなりました。
新社長には、これまで専務として共に会社を支えてまいりました、私の弟が就任いたします。
本日は、社長交代に寄せて私自身の想いをお伝えさせていただきます。
10年・20年・30年先も生き続ける会社へ
実はこの社長交代、急に決まった話ではありません。
10年ほど前から、60歳を節目に次世代への引き継ぎを意識し始め、5年前には専務にも「60歳で社長を退くつもりでいる」と伝えておりました。
「60歳で交代するには早いのでは?」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。実際に、実務を譲りつつも70代まで社長職を続ける経営者も多く、社長を辞するというのは決して簡単な決断ではありません。私の周囲にも、実際に交代まで踏み切った方はそう多くありません。
それでも私がこのタイミングで決断したのは、「東京テープをこれからも持続可能な企業として存続させるため」に他なりません。
私の歩みと、会社の成長
18歳で、父が社長を務める東京テープに入社して以来、私は新商品開発に力を注いできました。ラッピング業界が追い風を受けていた時期でもあり、「店頭で手軽に美しく包める、高品質なリボン・ゴム製品」の提供を通じて、成長の一端を担うことができました。
入社当時は親族5名で営んでいた小さな会社が、現在では従業員25名を抱える組織に成長しました。
約40年かけて「赤ちゃん」だった会社が成長し、中学生、高校生、そして社会人として独り立ちしたように感じています。
この歩みを支えてくださったお客様・仕入先様、従業員の皆様、内職の皆様に、心より感謝申し上げます。
変化の時代に対応するために
とはいえ、このまま同じやり方を続ければ、会社が安泰かというと決してそうではありません。
ライフスタイルの変化により内職の担い手が減少し、仕入れ先の構造や流通環境も日々変化しています。
ホームページのリニューアルをはじめ、私なりに変化への対応策を試みてはきましたが、「個人の発想には限界がある」と感じるようにもなりました。
だからこそ、次世代へバトンを渡すことで、これまでになかった視点やアイディアが生まれ、東京テープに新たな可能性が広がっていくことを期待しています。
息子たちへの想い、そして次のステージへ
私には3人の息子がおり、現在はいずれも東京テープに入社しています。
社会人として経験も積み、全員が30代となりました。とはいえ、まだまだ成長の余地を残す、まさに「伸びしろ」のある世代です。
私と専務が若い頃、兄弟で語り合いながら様々な挑戦をしてきたように、彼らにも新しい時代を切り拓いてほしいと願っています。
そのためには、私が社長として居続けることで「最終判断は父がする」という空気を残すのではなく、まずは専務に社長職を引き継ぎ、その姿を見ながら、息子たちが将来の経営を担うだけの判断力・行動力を育んでほしいと考えました。
東京テープは、これからも挑み続けます
私は、若い頃は習い事も部活もすぐに辞めてしまうような、粘り強い性格ではありませんでした。
それでもこの仕事を続けてこられたのは、尊敬する父の背中があったからです。
決して器用な人ではありませんでしたが、どんな依頼も断らずに引き受け、誠実に取り組んでいた父の姿勢は、私の中にしっかりと根付いています。
「人がやりたがらないことの中にこそ、ヒントがある」
そんな父の言葉を胸に、機械に頼りすぎず、手間と時間を惜しまず、質の高い製品づくりを続けてきました。
これから新体制となる東京テープにおいても、この“手間を惜しまないモノづくりの精神”は、変わらず大切にしてほしいと願っています。
そしてその上で、変化の時代に即した柔軟な発想や行動力をもって、新たな成長を切り拓いてくれることを心から期待しています。
新体制となる東京テープを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2025年7月吉日
代表取締役 丸山聡也